中野信子さんの書籍で私なりに大事と思ったところを主に要点をまとめてみました。
〜現代社会に潜む「正義」の罠とは?〜
群れで生きる人間の「生存戦略」とは?
人間は元来、集団で生きる種族です。集団でいることで身を守り、個体数を増やし、生存のチャンスを高めてきました。そのため、仲間内で目立つ言動をする者や「みんなと違う」行動をする者を追い出す習性が備わっています。これが「生存戦略」の一環であり、現代にもその影響が見られるのではないでしょうか。
また、人間は「悪者」に対しては罪悪感なく攻撃できる生き物でもあります。この心理は、SNSやネットの発展によって顕著になっています。「正義の名のもとに攻撃できる」状況が、私たちの間に蔓延しているのです。
そして「正義中毒」へ
「正義中毒」とは、ある種の強迫観念のように「自分の正しさ」に固執し、他者を責めることで優越感を得る心理状態です。現代のネット社会では、自分の意見に共感する人たちだけが集まる「フィルターバブル」や、広告や情報が自分に合わせて表示されるシステムがこれを助長し、個人の正義感が強化されやすくなっています。SNSで「誰にでも発信できる」自由さは、その反面、他者からの攻撃にさらされるリスクも持っています。
「正義中毒」は、失敗した人を見下し、自分が相対的に上に立ったように感じることで集団内の安心感を得ようとする心理からも生まれるのです。
この本が教えてくれるのは、「正義」という言葉が持つ一種の危うさです。群れで生きる人間の心理、そしてそれが現代社会でどのように過剰に作用しているかを知ることで、自分が知らず知らずのうちに「正義中毒」にならないよう、自分の考え方や行動を見直してみるのも良いかもしれません。
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